レビー小体型認知症の検査

監修:筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授 水上 勝義 先生

レビー小体型認知症の診察では、特徴的な症状・行動の有無を重点的に調べます。
必要に応じて認知機能検査や画像検査が行われます。

問診

問診

これまでできていたことが難しくなったなど、日常生活の中で変化したことが重要な情報です。そのため問診では、患者さんご本人だけでなく、ご家族から客観的な様子をお伺いします。

お伺いする内容の例

日常生活の中でこんなことはありますか?

  • 調子の良いときと悪いときの差は激しいですか?
  • 普段できていることができなくなることはありますか?
  • 普段はわかっていることがわからなくなることはありますか?
  • 普段よりぼーっとしていることはありますか?
  • 普段より気が散りやすくなることはありますか?
    など

それらの状態は、どのようなときにみられますか?

  • 着替えがうまくできないことがある。
  • 声をかけても反応が乏しいことがある。
  • 普段と比べて落ち着きがないときがある。
  • つまずきやすかったり、危なっかしい行動をとったりすることがある。
  • 普段より話が通じにくかったり、意味のわからないことを話したりすることがある。
    など

参考 : 橋本衛 他. Brain Nerve 2014; 66(2): 175-183

認知機能検査

認知機能検査

医師と対面して口頭での質問に答えたり、指示された通りに動いたりして、記憶力、計算力、見当識※1、言語の理解力などの様子が調べられます。 また、図形を描くことで空間認知力※2が調べられます。

  1. 現在の年月や時刻、自分がどこに居るかなど基本的な状況を把握する能力
  2. 物体の位置・方向・姿勢・大きさ・形状などを認識する能力

脳の画像検査

脳の画像検査

脳の画像検査ではそれぞれの病気に特徴的な所見の有無を観察します。

                    
目的検査名検査の内容
脳の形を調べる検査 ・MRI検査
・CT検査
脳の形や萎縮の有無、萎縮している場合はどの部位がどの程度進んでいるかなどを調べます。
脳のはたらき具合を
調べる検査
・脳SPECT
・糖代謝PET
脳の血流や、脳のエネルギー源となる糖の代謝を観察することではたらき具合を調べます。
ドパミンを取り込む
タンパク質のはたらき具合を
調べる検査
・ドパミン トランスポーター(DAT)シンチグラフィ ドパミン神経に変性・脱落が起きているかどうかを調べます。レビー小体型認知症の診断に有用な検査です。
心筋の交感神経の
はたらきを調べる検査
・MIBG心筋シンチグラフィ検査 心筋の動きに関わる交感神経が正常にはたらいているかどうかを調べます。レビー小体型認知症の診断に有用な検査です。

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