ふっくらおいしい ふくさ寿司|パーキンソン病患者さんのためのリハビリレシピ

リハビリ監修:作業療法士 廣瀬哲司先生、理学療法士 岡本香菜子先生
レシピ監修:株式会社おいしい健康 管理栄養士

~パーキンソン病患者さんのためのリハビリキッチン~

レシピに込める想い・リハビリポイント

そのままでもおいしいちらし寿司を薄焼き卵で包んで仕上げる、おもてなしにもおすすめの一品。薄焼き卵に片栗粉を加えてやぶれにくくし、包みやすい工夫をしました。ぜひご家族みんなで包んでみてください。すし飯を混ぜる作業の際には、腕全体を使ったダイナミックな動きを意識しましょう。

リハビリポイント① 理学療法士 岡本香菜子先生

薄焼き卵ですし飯を包む作業など、指先を使うような細かい作業をするときは、事前に簡単な指先ストレッチをやってみましょう。

「手をグーにぎゅっと握って、パッと開く」や「手のひらを指でなぞる運動(片手をにぎり、手のひらを指でなぞるようにしながら開く動き)」を行うとやりやすくなりますよ。

リハビリポイント② 作業療法士 廣瀬哲司先生

すし飯を混ぜるときは、可能なら、ご家族や介護の方に「飯台を固定する補助」をしてもらい、両手で交互に混ぜるとよりよいリハビリ効果が得られるでしょう。
また、思い切ってダイナミックに混ぜるよう、試してみてくださいね。

      
栄養価(1人分)
【エネルギー】 310 kcal 【タンパク質】 16.7 g
【脂質】 12.0 g 【炭水化物】 31.6 g
【食物繊維】 2.2 g 【食塩相当量】 2.5 g

材料(6人分)

      
材料詳細
2合(300g)
だし用昆布 5㎝角1枚(3g)
360ml
A 砂糖 大さじ3(27g)
米酢 60ml
小さじ1(6g)
ゆでたけのこ 100g
にんじん 60g
干しシイタケ 小さめ6枚(12g)
水(干ししいたけ用) 250ml
B みりん 大さじ1と1/3(24g)
しょうゆ 大さじ1と1/3(24g)
ちりめんじゃこ 20g
白ごま 大さじ1(9g)
12個
C 片栗粉 大さじ1と1/3(12g)
ぬるま湯 大さじ2(30g)
小さじ1/3(2g)
適量
三つ葉 12本(24g)

料理を始める前に

【調理前】
必要な道具・食材を準備し、調理スペースや歩く場所に不要なものは置かない。
【調理中】
姿勢を正したり、身体を大きく動かすように意識する。(腰の曲げ伸ばし、肩甲骨をまわす等)
【調理中】
疲れたら座るなど、休憩しやすい環境を整える。

【作り方】

下準備

干ししいたけは分量の水に6時間ほどつけて戻します。戻し汁はとっておきます。

●酢飯を作る

1.炊飯釜に洗った米と昆布、分量の水を入れて炊飯します。Aを混ぜ合わせ、合わせ酢を作ります。

酢飯を作る

●具材を作る

2.たけのこは食べやすい大きさの薄切りに、にんじんは長さ3cmの拍子木切りにします。水気を絞ったしいたけは軸を落とし、薄切りにします。

【固定する】まな板を使用するときは「ぬれ布巾」を敷いて、その上にまな板を置くと安定するため、安心して作業することができます。

【しっかり抑える】材料を切るときは包丁を持たない方の手でしっかりと食材を抑えます。

食材を切る

【両手でぎゅっと絞る】しいたけの水気を絞るときは両手で、握手をするように絞ります。

食材を切る

3.鍋にBを入れてひと混ぜし、2の材料を入れて弱火にかけ、煮汁がほとんどなくなるまで煮ます。火を止め、粗熱を取ります。

●ちらし寿司を作る

4.炊き上がったご飯に、1で用意した合わせ酢を回しかけ、切るようにして混ぜます。

【腕(ひじ)を使う】すし飯を混ぜ合わせる作業では、手首だけではなく、腕からひじをしっかりと動かしてダイナミックな動きになるように意識します。

ちらし寿司を作る

5.すし飯に煮汁をきった3、白ごま、ちりめんじゃこを加え、底から大きく返すように混ぜ合わせます。

【両手を使う】すし飯を混ぜ合わせる作業では、両手を交互に使ってみましょう。

ちらし寿司を混ぜます。

●薄焼き卵を作る

6.ボウルに卵を溶きほぐし、混ぜ合わせたCと塩を加えて混ぜ合わせます。直径24cmのフライパンに油を薄く引いて中火で熱し、濡れ布巾の上に数秒置いてフライパンの温度を均一に下げます。

7.弱めの中火にかけ、卵液を再度混ぜ合わせて1/12量(お玉1杯分)を流し入れます。厚さが均一になるように素早く広げます。

卵液を弱めの中火でフライパンで焼きます。

8.卵の表面が乾いてきたら菜箸を卵の真ん中にくぐらせ、卵を持ち上げて裏返し、さっと焼きます。伏せたボウルなどに広げて粗熱をとり、残りも同様にして計12枚焼きます。

●仕上げ

9.薄焼き卵を1枚広げ、真ん中より手前に5のすし飯の1/12量をのせ、長方形(横7✕縦4cmが目安)に整えます。

薄焼き卵を広げ、具をのせます。

10.手前、左右、向こう側の順に内側に折りたたみ、巻き終わりを下にします。さっと湯通しした三つ葉で結んで出来上がりです。

ふくさ寿司に整形します。
ふくさ寿司

気分を変えて作るなら

同じ材料と分量で別のアレンジも!
ちょっと違う手順の動きにトライして、新しい一品に仕上げましょう。

ちらし寿司

家族みんなで囲みたい。
ふっくらおいしいちらし寿司

薄焼き卵を千切りにして錦糸卵をちらしたら、見た目も華やかに仕上がります。家族みんなで食卓を囲む日の一品にもぜひ。

錦糸卵
気分を変えて
薄焼き卵をまな板に半月状においたら、端から千切り状に切って錦糸卵を作ります。少しくらい厚くなってもおいしさは一緒なので、お好みの細さでトライしてみましょう。

リハビリポイント・栄養アドバイス

薄焼き卵ですし飯を包む作業など、指先を使うような細かい作業をするときは、「手をグーにぎゅっと握って、パッと開く」など、事前に簡単な指先ストレッチを行うとやりやすくなりますよ。

理学療法士 岡本香奈子先生

すし飯を混ぜるときは、可能なら、ご家族や介護の方に「飯台を固定する補助」をしてもらい、両手で行う動作とよりよいリハビリ効果が得られるでしょう。

また、思い切ってダイナミックに混ぜるよう、試してみてくださいね。

作業療法士 廣瀬哲司先生

ふくさ寿司の1つあたりの分量は目安です。食べやすい分量を包みましょう。

お寿司ではどうしても高くなりやすい塩分を控えながらもおいしく仕上げるレシピになるよう工夫しました。ぜひ、お試しください。

おいしい健康 管理栄養士

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